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睡眠は大事(キリッ
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 お題借りてFateねたがこれ以上摩耗しないように生産。

とりあえず、書きたかったプロローグ:女主人公サイドはこんな感じ。
若干物足りない感じはあるけどおおむねこんな感じだった、はず。弓サイドもそのうち書きたいなあ。

Fateのえくすとらの方をお借りした「17粒の片恋涙」というお題で書いていきます。順番はランダムですよいきなり17使ってるようにね!!えくすとら的にはエンディングなんですけど、書きたいのはSNでの弓→女主なので、プロローグ扱いです。

とりあえず頑張ってリハビリリハビリ。切ない感じに書けてたらいいなー。


ちなみに我が家の女主人公の名前は「衛宮 真白(エミヤ マシロ)」です。
デフォルトとしては奏(カナデ)ちゃんらしいんですけど、いまいち事実なのかがよくわかんないので自分のつけた名前でいっかーと。

ちなみにこの話では、(以下原作ネタバレ入るので隠します)
ぎりぎりまで凜の救済を入力できず、最後の最後で二人の願いを入力しますので、どうして自分の消滅に時間がかかったのか、とか知りません。冷凍睡眠装置で眠ってる自分の体のことも知りません。そして凜にメールもできてません。
よって女主人公の再会フラグも復活フラグは一切ありません。

・・・・・・愛ゆえですよ。ほんとですよ!?

 どこまでも深い、深海を思わせるアオの世界。0と1とで構成されたその空間は限りなく広がり、全てを許容し、飲み干すようだった。
予想していたよりもゆっくりと、じりじり近づいてくる死の気配に急き立てられながら、願いを入力する。トワイス・H・ピースマンが介入し起こした戦争の芽を摘み、それから――
 
ぴたり、と入力が止まった。
 
だめだ、分かっているだろう?ちゃんと、割り切らないと。決めただろう?
 
リンを無事に地上に還すのだと。(そして彼女は彼と共に生きるのか?)(自分は消えてしまうのに)
 
決意に黒い、どろどろとした感情が絡み付く。今まで蓋をして誤魔化してきたそれに真正面から向き合わされて、だめだとは思っていても仕方がないのだと諦めたくなる。聖杯にアクセスしている今、相反する意思(ココロ)がそのまま伝わってしまえば、思い通りに願いを入力することができず、リンもまた死ぬことになってしまう。
それは嫌だと、思っているのに。醜い嫉妬が彼女の帰還を羨み、妬み、妨害している。
なんて醜悪な。たくさんの命を死にたくないというエゴの下踏み潰し、勝者となりながらこのザマか。
くだらない感情を直視することも、制御することもできず、それのせいで自分の勝手で助けた彼女を生かすこともできない。
 
ぎり、と唇を噛んだ。だめだ、それは許されない。そう思っているのに、入力は遅々として進まない。
有限である制限時間は刻一刻と減っていく。とにかく、早く、早く願いを―――
 
こぽり、と。なにかがはいってきた音が聞こえた。
音源に視線をやり、思わず固まった。
 
嘘。だって、そんな。そんなはずがない。ここに、きみがいるはずが、
 
しかし確かに彼は目の前の電子の海の中に存在している。
 
どうして。あのままリンといたら、消えないでいられるかもしれないのに。
この聖杯戦争におけるイレギュラーは自分だけだ。おそらく、彼はれっきとしたシステムに組み込まれたサーヴァント。わざわざそんな自殺のようなことをする必要なんて―――
 
信じられない、と思ったのが顔に出ていたのか、彼はいつものように、「仕方がないな」とでも言うような、呆れたような、でも優しい表情でそこにいて。
 
ああ、と納得できてしまった。
 
そうだった。皮肉屋で、憎まれ口をきく彼は、でもどうしようもなく優しいひとだから。期待するような甘い感情ではなく、自分をひとりぼっちで逝かせるわけにはいかないとか、主従だから共に朽ちるべきだとか、きっとそういうことなのだろうけど。
それでも。なかったかもしれないけれど、それでもあったかもしれない“リンと共に歩める未来”というIFも捨てて、ただ此度の頼りないマスターでしかなかった自分と共に最期を迎えることを選んでくれたのか。
 
そっと、彼へと手を伸ばす。彼は一瞬瞠目して、それでも、手を伸ばし返してくれた。
 
ああ。ああ。ああ。
 
口元が緩む。涙が溢れる。
なんて、自分は幸せ者なんだろう。
 
ふたりの手が近づいていく。そしてその手が触れ合う。――その瞬間、彼の手を、思い切り突き飛ばした。
彼が目を見開く。それを見て笑みを零した。
 
報われないはずのこの恋は望んだカタチではなかったかもしれないけれど、きっとたしかに報われた。
 
だから、もういい。
きみがここにきてくれた。じぶんは、それだけでじゅうぶんだから。だから、どうか。
 
思いもよらぬ展開に頭がうまく働かないのか、呆然としたままの彼の体は押し返された勢いで電子の海から浮上していく。
それをさきほどまでとはくらべものにならないくらい穏やかな気持ちで見送った。
 
今ならば、聖杯に願いを入力できる。ああ、そうとも。君だけの幸せを、願うことができる。
リンとふたり、きっとふたりならしあわせにその未来(さき)を歩んでいける。
そこに、自分が存在しなくてもいい。もう自分は十二分に君に幸せをもらった。もう、十分だから。
 
だから。
どうか、きみしあわせに。
 
 
17:私を傷つけたのが貴方なら、私を救ってくれたのも他ならない貴方。
 
 
消えていく身体。薄れていく意識。近づいてくる完全なる消滅の気配。だから、なんだと言うのだろう。
すべての願いを入力し終えて、満たされた気持ちで目を閉じ、彼らの未来を夢想する。
 
――だってきっと、私の生きた意味は君だけのためにあったのだから。
 
お題提供:http://www.max.hi-ho.ne.jp/riel/myword.html

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