睡眠は大事(キリッ
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APHの英が米を吹っ切るというか、なんというか・・・そんな感じのシリアスなシリーズの話です。続きます。
1話ごとは短めの、短編連作みたいにできたらなあと。
全部書き終えたら移動します。
英→米は完全に家族愛。米→英は・・・まあ、お好きに解釈すればいいんじゃないでしょうか。
このシリーズはCP色は無いといえば無いけれど、あると思えばある感じです。苦手な方注意。
あ、お題をhttp://fluid.hiho.jp/ap/index.htmlさんから借りてきてます。
1話ごとは短めの、短編連作みたいにできたらなあと。
全部書き終えたら移動します。
英→米は完全に家族愛。米→英は・・・まあ、お好きに解釈すればいいんじゃないでしょうか。
このシリーズはCP色は無いといえば無いけれど、あると思えばある感じです。苦手な方注意。
あ、お題をhttp://fluid.hiho.jp/ap/index.htmlさんから借りてきてます。
空は快晴。目に痛いくらい眩しく輝く太陽と、あまりにも鮮やかに広がる青色。
自国では滅多に見ることができない光景に、アーサーは目を細めた。
「アーサー!」
己の名を呼ぶ声に振り向くと、草原を駆ける幼子がひとり、こちらに向かって走ってくるのが見えた。
その子は勢いを殺す、なんてこと考えてもいないのだろう。衝動のままに自分の出せる全力で走って走って、そうして思い切り目の前の男に抱きついた。彼がその二本の腕で、自分をしっかりと抱きしめて、受け止めてくれると知っていたから。
「まったく、アーサーってばおそいんだぞ!待ちくたびれたんだぞ!!」
「悪かったよ、だからほら、お詫びにお前が喜びそうなものを持ってきてやったぞ」
「わああ!なあに、それ!ね、なあに?」
「落ち着けって、これはな――」
優しく弟の頭を撫でながら丁寧に教える兄と、兄の話に顔を輝かせる弟。その表情を見て、兄はふっと柔らかい笑みを浮かべる。
「とりあえず、一旦家に行かないか?絵本だって、読んでやってる途中だったよな?」
「あーっ!そうなんだぞ!ずっとずっとつづきが気になってたのに、アーサーがとちゅうで帰っちゃったりするから」
「だから悪かったって言ってるだろ。今日はちゃんと最後まで読んでやるから」
「うん、やくそくだよ!」
「ま、お前が先に寝ちまわなければの話だけどな」
「そ、そんなことぼくしないんだぞ!」
「はいはい」
「アーサーってば!!ほんとに、ほんとにしないんだからね!」
必死に言い募る子供を、アーサーは幸せそうに見つめた。
優しくて、元気で、可愛くて、無邪気で、ちょっぴり泣き虫で、そしてなにより幸せそうな子供。
そんな子供を、自分が育てられたのだと、育てているのだと。そう思うと、とても嬉しくなる。
きっと、自分は間違っていなかったのだと。今まで歩いてきた道は、このためにあったのだと。そう、思えるから。
だから、子供はみんな、こうやって育ててあげよう。
手探りだけれど、不器用だけれど、それでもありったけの愛情と、誠意と、優しさと、それから、それから――とにかく思いつく限りの全てを注いで、愛してあげよう。
そうすれば、きっと、みんなこういう風に育ってくれる。
きっと、幸せそうに――
(そう、それらすべてに餓えていた自分とは違って)
ひそりと、誰かが囁いたような気がして、ふと振り返る。視線の先には誰もいない。
まあ、当たり前かと視線を戻すと、意識を持っていかれて不貞腐れた子供がアーサーの名前を呼んでいる。その子を抱きしめて、宥めて、そうして幸せだなあと思った。なんて素敵で、充実した時間なんだろうか。
なんて幸せなんだろう。うっとりと頭の中で呟いた。
なんて幸せなんだろう。じっとりと頭の中を諭した。
Keep out. Keep out.
ここから先は入っちゃあいけないよ。
そう記された紐をぐるぐると巻きつける。
入っちゃいけないよ。近づいちゃいけないよ。触っちゃいけないよ。開けちゃ、いけないよ。
だって「これ」は、パンドラの箱とは真逆なんだから。
希望だけでいいだろう?今、幸せなんだろう?
うん、と彼は頷いた。
今幸せだから、この希望さえあればいいよ。
君を好きだと想えなくなったらこの世界から消え去りたい
(知っているよ。識っているよ。本当は世界は綺麗なんかじゃないって。ならば君が美しく見えない世界になんて、いても何の意味があるんだい?)
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